Column

日常の中のヨーガ——洗濯物をたたむという実践

2025年05月25日

はじめまして。

MAJORAコラムでヨガ哲学を担当することになりました、カナコです。

東京で、少人数制ヨガやパーソナルヨガを中心にインストラクターとして活動してきました。
2018年にRYT200を取得して以来、ポーズだけでなく「どう生きるか」「心とどう向き合うか」といった内面の築きを大切にするヨガをお伝えしています。

このコラムでは、日常の中にそっと存在する“ヨガ哲学のヒント”を、やさしくほどいていきたいと思っています🧘‍♀️

さて、今日のテーマは……

「洗濯物をたたむ、それもヨーガ?」

ある日、洗濯物をたたみながらふと気づきました。
手は動いているのに、心はどこか遠くへ旅をしている——

「今この瞬間」をちゃんと味わっていない自分がいたのです。

■ それがなぜヨガなの?

ヨーガ・スートラでは、こう言われています。

「ヨーガとは、心の作用を止めることである」(第1章第2節)

心が過去や未来へとさまよわず、今この瞬間にピタッととどまっている状態——
それがヨーガなんです。

だからこそ、洗濯物をたたむ時間に「ただたたむことだけに集中する」ことは、
日常の中で心を整えるヨーガの実践といえるのです。

■ どんな効果があるの?

この「今ここ」に集中する練習を繰り返すことで——

  • 頭の中の雑音(思考のおしゃべり)が静まってくる
  • やらなきゃリストから解放される時間が生まれる
  • 呼吸が自然に整い、自律神経も落ち着いてくる
  • “やるべきこと”が、“してあげたいこと”に変わっていく

……といった心と身体の変化が起こります。
これは、マットの上で瞑想をするのととてもよく似た状態です。

■ どんな意味があるの?

「どうせやらなきゃいけないこと」だとしても、
その時間に丁寧さと意識を注げたら、自分の心が満たされる——
それは、私たちが「ただ生きる」から、「丁寧に生きる」へとシフトする小さな一歩。

忙しい毎日の中でも、“心を育てるチャンス”は、実はあちこちに転がっているのです。

■ 今日からできる“小さなヨーガ”

  • タオルの肌触りを感じてみる
  • 呼吸に合わせて一枚ずつ丁寧にたたんでみる
  • 「ありがとう」と唱えながら、家族のシャツをたたむ

たったこれだけで、家事の時間が“自分に戻る時間”になります。

🕊最後に、ひとこと

「人生とは、“今”の瞬間の積み重ねである」
— エックハルト・トール『今、この瞬間を生きる』

ヨーガは、ポーズやマントラだけのものではありません。
自分の“今”に気づくことが、もうすでにヨーガ。

今日の“洗濯物”が、あなたに何かを教えてくれるかもしれない。
それに気づけたら——もう、あなたはちゃんとヨーガしてる🌿

……なんて偉そうに書いてきましたが、
もちろん私も、洗濯物をたたみながらあれこれ考えてしまう日もあります。
完璧にできているわけではありません。

でも、「あ、今わたし、ちょっと心がどこか行ってたな」って気づけること
「知っている」ということ。
それだけで、もう一歩ヨーガに近づいているのだと思います。

ヨーガは、“できるか・できないか”ではなく、“気づいていく道”
私もその途中にいます。
だからこそ、こうして一緒に考えていけたらうれしいです🌿

KANAKO

KANAKO

身体づくりから始まったヨガの学びを深める中で、現代の視点からわかりやすくヨガ哲学を伝えることに魅力を感じています。内面の気づきや哲学を大切にしたヨガの在り方を、コラムを通じて皆さまにお届けします。