はじめまして。
MAJORAコラムでヨガ哲学を担当することになりました、カナコです。
東京で、少人数制ヨガやパーソナルヨガを中心にインストラクターとして活動してきました。
2018年にRYT200を取得して以来、ポーズだけでなく「どう生きるか」「心とどう向き合うか」といった内面の築きを大切にするヨガをお伝えしています。
このコラムでは、日常の中にそっと存在する“ヨガ哲学のヒント”を、やさしくほどいていきたいと思っています🧘♀️
さて、今日のテーマは……
「洗濯物をたたむ、それもヨーガ?」
ある日、洗濯物をたたみながらふと気づきました。
手は動いているのに、心はどこか遠くへ旅をしている——
「今この瞬間」をちゃんと味わっていない自分がいたのです。

■ それがなぜヨガなの?
ヨーガ・スートラでは、こう言われています。
「ヨーガとは、心の作用を止めることである」(第1章第2節)
心が過去や未来へとさまよわず、今この瞬間にピタッととどまっている状態——
それがヨーガなんです。
だからこそ、洗濯物をたたむ時間に「ただたたむことだけに集中する」ことは、
日常の中で心を整えるヨーガの実践といえるのです。
■ どんな効果があるの?
この「今ここ」に集中する練習を繰り返すことで——
- 頭の中の雑音(思考のおしゃべり)が静まってくる
- やらなきゃリストから解放される時間が生まれる
- 呼吸が自然に整い、自律神経も落ち着いてくる
- “やるべきこと”が、“してあげたいこと”に変わっていく
……といった心と身体の変化が起こります。
これは、マットの上で瞑想をするのととてもよく似た状態です。
■ どんな意味があるの?
「どうせやらなきゃいけないこと」だとしても、
その時間に丁寧さと意識を注げたら、自分の心が満たされる——
それは、私たちが「ただ生きる」から、「丁寧に生きる」へとシフトする小さな一歩。
忙しい毎日の中でも、“心を育てるチャンス”は、実はあちこちに転がっているのです。
■ 今日からできる“小さなヨーガ”
- タオルの肌触りを感じてみる
- 呼吸に合わせて一枚ずつ丁寧にたたんでみる
- 「ありがとう」と唱えながら、家族のシャツをたたむ
たったこれだけで、家事の時間が“自分に戻る時間”になります。

🕊最後に、ひとこと
「人生とは、“今”の瞬間の積み重ねである」
— エックハルト・トール『今、この瞬間を生きる』
ヨーガは、ポーズやマントラだけのものではありません。
自分の“今”に気づくことが、もうすでにヨーガ。
今日の“洗濯物”が、あなたに何かを教えてくれるかもしれない。
それに気づけたら——もう、あなたはちゃんとヨーガしてる🌿
……なんて偉そうに書いてきましたが、
もちろん私も、洗濯物をたたみながらあれこれ考えてしまう日もあります。
完璧にできているわけではありません。
でも、「あ、今わたし、ちょっと心がどこか行ってたな」って気づけること。
「知っている」ということ。
それだけで、もう一歩ヨーガに近づいているのだと思います。
ヨーガは、“できるか・できないか”ではなく、“気づいていく道”。
私もその途中にいます。
だからこそ、こうして一緒に考えていけたらうれしいです🌿